他ツールとの比較
katachi に似たツールとして、Konsist や ArchUnit などがあります。 これらは katachi と排他的とは限りません。
| ツール | 何を見るか | どう走るか | katachi と併用 |
|---|---|---|---|
| katachi | ファイルが存在してよいか。どこに置かれるか | ユニットテスト | — |
| Konsist | クラス・関数・プロパティの中身。scope で絞った範囲 | ユニットテスト | ⭐️ 統合あり/推奨 |
| detekt | ソースの静的解析。コードスメルと自作ルール | Gradle タスク / CLI | 🆗 可能 |
| ArchUnit | クラス間の依存と層。JVM のクラス情報 | ユニットテスト | 🆗 可能 |
| ProjectGuard | モジュール同士の依存宣言。ビルドグラフ | Gradle プラグイン | 🆗 可能 |
| Konture | モジュール依存・パッケージの閉じ方・クラスの性質 | ユニットテスト | 🆗 可能 |
katachi だけが「そのファイルは存在してよいか」を問います。 ほかの5つはすべて、すでに存在しているものについて、中身や関係を検証します。
だから重なりません。むしろ重なるのは他ツール同士で、Konsist・ArchUnit・Konture は 互いに守備範囲が近く、3つ全部を入れる意味は薄いはずです。
katachi と Konsist
Section titled “katachi と Konsist”| 併用 | ⭐️ 統合あり/推奨 |
|---|
Konsist は Konsist.scopeFromProject() で対象を絞り、絞った範囲のクラスや関数を検証します。
絞った範囲に入らないものは検証されません。 名前の規則から外れたファイルも、
誰も想定していないディレクトリも、視界に入らないままです。
katachi はその逆で、プロジェクト全体を走査して宣言と突き合わせます。 「配置」と「中身」で担当が分かれるので、どちらか片方だけでは検証できない部分が残ります。
katachi は katachi-konsist という任意モジュールでこの2つを繋ぎます。
Role の中に konsist { } を書き、テストで assert(FileConstraintCheck()) を呼ぶと、配置の違反と中身の違反が1つのレポートにまとまります。
"UseCase" { // どこに置いてよいか — katachi の担当 layout { "src/main/kotlin/com/example/useCase" / "*UseCase".ktFile() }
// 中身がどうあるべきか — Konsist の担当 "1つの invoke 関数のみを持つこと".konsist { classes().must { it.functions().map { f -> f.name } == listOf("invoke") } }}Role の性質をそのまま制約にできます。
UseCaseはinvoke関数を1つだけ持つ。 Role の定義そのものRepositoryは interface として宣言される。 実装の差し替えを前提にした層で効く- Role のファイルは外から使える可視性を持つ。
classes().must { it.hasPublicOrDefaultModifier } ViewModelは Android の View 型を参照しない。 層の漏れを中身の側から止めるdata層のクラスは特定のアノテーションを持つ。 シリアライズ対象の取りこぼしを防ぐ
katachi と detekt
Section titled “katachi と detekt”| 併用 | 🆗 可能 |
|---|
detekt は Kotlin のソースを静的解析して、コードスメルやスタイルの逸脱を指摘します。 自作ルールを書けば、プロジェクト固有の約束も検査できます。
見ている単位がファイルの中身なので、katachi とは衝突しません。 katachi が「このファイルはここに置いてよい」を決め、detekt が「その中身がどう書かれているか」を見ます。
katachi は detekt との統合を持っていませんが、役割分担としては問題なく機能します。
detekt と konsist { } のどちらに書くか迷う場面があります。目安は2つです。
- レポートを1つにまとめたいなら
konsist { }。assert(FileConstraintCheck())で検査すれば配置の違反と並んで出るので、直す材料が1回のテスト実行で揃います - プロジェクト全体に一律で効かせたいなら detekt。 Role に紐づかない約束(関数の長さ、複雑度、命名の一般則)は、Role の中に書いても 意味が薄くなります
detekt が向いているもの:
- 関数の長さ・ネストの深さ・循環的複雑度
printlnやTODO()の残存- 特定の API の使用禁止(プロジェクト共通のもの)
- katachi は「存在してよいか」を問う道具です。ほかの5つは、存在しているものについて 「どうあるべきか」を問います
- これらのツールは 排他ではありません。必要な問いの数だけ katachi と別のツールを組み合わせましょう。
- 重なるのは他ツール同士です。Konsist・ArchUnit・Konture を全部入れる必要はありません
次のステップ
Section titled “次のステップ”- Konsist との統合 …
konsist { }の書き方と、配置の違反と中身の違反が1つのレポートにまとまる仕組みを学びましょう。 - FAQ … なぜプロジェクトのファイルを全部見て宣言と照らし合わせる道具が必要なのか、設計の考え方を理解しましょう。
- 初めてのアーキテクチャ定義 … あなたのプロジェクトに katachi を導入して、実際の使い分けを試してみましょう。